The relation between calculation and visualization


このサイトの訪問者の方は、Visualization が Calculation にどう役立つのか?
ということに興味があることでしょう。

私が Visualization の Training 方法を考えるようになったのは、ボードを見なくても頭の中でチェスができるようになりたい、という思いと、Visualization の能力が向上すれば読みの能力も高まるのでは? という思いからでした。

現時点で私が思っていることは

読みを行う時に Visualization は役立つ
読みを行う時に、どのように Visualization を使うか?
常に Visualization を使うわけではない
読みの能力は Visualization だけの問題ではない
Visualization の能力が高まれば Blindfold chess をするのに役立つが
読みの能力向上にそれほど影響がない



読みを行う時に Visualization は役立つ



読みを行う時に Visualization がどのように役立つかは、Visualization を
どのように使うかによります。

また、どのような状況で Visualization を使うかというと
現在の局面から、2つ以上の駒が動いた先の局面について考える時

これは私が行っている方法ですので、人によって Visualization の使い方
は異なるでしょう。




読みを行う時に、どのように Visualization を使うか?


参考例を見ていきましょう。

White to move


chess.com の Puzzle に出てきた問題です。
まず、最善手の初手に気づくかどうかですが、どのように Visualization を
使うかの説明ですので、1.Bc4 の手を考える所から始めます。

1.Bc4 は 2.Bxc3# の狙いがありますが、黒の応手を読まないと
1.Bc4 で良いかどうか分かりません。




1.Bc4  に黒の応手はいくつあるでしょうか?
1...b2  1...Kc2  ルークを動かす手 の3つです。

1.Bc4 b2 2.Bb3# これは Visualization を使っているという程の
ことではないでしょう。

1.Bc4 Kc2 これは Visualization を使う必要があります。
1.Bc4 Kc2 の局面から、その局面について考える必要があるためです。



1.Bc4 Kc2 の局面ですが、実際にはこの局面を頭の中で視覚化して
この局面について考えます。このようなことが Visualization を読みに
役立てることだと思ってます。




最初の局面に戻ると
1.Bc4 Kc2 2.Bxd5 b2
1.Bc4 Rd3  1.Bc4 Rc5 2.Bxb3+ Rc2
など、Visuzalization を使い、その局面からさらに考える必要があります。
難しいというほどではないですが、容易というほどでもないです。

というのも、例えば 1.Bc4 Rc5 2.Bxb3+ Rc2 の局面を実際に見て
考えるのと、頭の中でその局面を視覚化して考えるのとでは、気づくことに
違いが出たりします。

読みを行う時に Visualization をどのように使うか? ということを示しました
ので次に進みます。




常に Visualization を使うわけではない



White to move


1.Bc4 b2 2.Bc3#
1.Bc4 Rb5 2.Bxb5 b2 3.Ba4#
すぐ分かるような時は、Visualization を使っている、という程ではないでしょう。

1.Bc4 Rb5 2.Bxb5 Kc2 
これは Visualization を使う必要があり、意外に難しいです。
ただ、1.Bc4 の他に良い手がなければ、1.Bc4 を指して、1...Rb5 2.Bxb5 Kc2
の局面まで進んでから、その局面を見て考える、ということも1つの方法です。



White to move


chess.com の Puzzle から。
1.Rxd2 Re1+ 2.Kb2 a1=Q+
1.Qxe8 Qc3#
これらは Visualization を使っているという程のことではないです。

この問題、正解が分かるまで自分は時間がかかりました。
1.Qxe8?? が悪手なので、その手はダメだと思いこんでしまいますが、Qxe8 が手がかりとなります。


普段、タクティクスやエンドゲームの問題を解く時、Visualization を使ったかどうか、確認してみると、Visualization の使い方が分かってくると思います。



読みの能力は Visualization だけの問題ではない



通信チェスでは分析ボードを使えますが、Visualization が高まり
頭の中で分析ボードと同等のことができるようになったとします。
それで読みの能力は上がるでしょうか?

答えは Yes で、分析ボードを使えれば、先の局面でどうなるか確認できたり
気づくことが増えるので、読みの能力は上がると言えます。
ただし、頭の中で分析ボードと同等のことができるプレイヤーは
非常に少ないでしょう。

もう1つの問題は、分析ボードを使ったからと言って、アマチュアプレイヤーが GM と同等の読みが行えるでしょうか? もちろん No です。読みの能力は、知識、経験、記憶力、どのように読むか、など 様々なことが関連しているため、Visualization の能力が高まったからといって、読みの能力がすごく上がるということはないと、個人的に思ってます。




Visualization の能力が高まれば Blindfold chess をするのに役立つが
読みの能力向上にそれほど影響がない



Visualization が高まれば Blindfold chess をするのには役立ちます。
ただ、それでも、駒の位置をどうしたら覚えておけるか?
という課題も出てきます。

先程も述べたように、読みには様々なことが関わっているので、Visualization
の能力が高まっても、読みの能力向上にはそれほど影響がないと、個人的に
思ってます。

ただ、別の方法で読みの能力を向上させることは可能で、タクティクス問題やエンドゲーム問題を解いたり、ある局面について、自分の読みを紙に書いて考える、などを行えば
読みの能力を上げていくことができるでしょう。


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